【生涯シミュレーション】個人事業主の老後|国民年金だけだと月13万円足りない現実

ガイド

最終更新日:2026年5月7日

セツヤくんセツヤくん

フリーランスって老後いくらもらえるの?「年金だけじゃ足りない」って聞くけど、具体的にいくら足りないんだろう…?

イソロくんイソロくん

結論から言うと、フリーランスの老後は「3,000万円問題」じゃなくて「5,000万円問題」。国民年金だけだと月70,608円しかもらえないから、ゆとりある老後(月25万円)まで月18万円足りない。今日は厚生年金との差と、共済・iDeCoでの老後資金の準備を完全シミュレーションするよ!

✅ この記事でわかること

  • フリーランスの「老後5,000万円問題」のリアル
  • 国民年金だけでもらえる月額・年額(年収・加入年数別)
  • 厚生年金との生涯差額:年収500/700/1000万別シミュレーション
  • 月25万円のゆとりある老後に近づく2つの戦略

フリーランスの「老後3,000万円問題」は実は5,000万円問題

セツヤくんセツヤくん

「老後3,000万円問題」って聞いたことはあるけど、それってフリーランスにも当てはまるの?

イソロくんイソロくん

当てはまらない。あれは「会社員夫婦の場合」の試算。フリーランスは厚生年金がない分、老後の年金額がはるかに少ないから、必要な貯蓄額は5,000万円超に膨れ上がるんだ。

2019年に話題になった「老後2,000万円問題」「老後3,000万円問題」は、会社員夫婦の年金収入を前提とした試算。フリーランス世帯の場合、厚生年金がない分、必要な貯蓄額はさらに大きくなります。

会社員 vs フリーランスの「老後の必要貯蓄」比較

項目 会社員夫婦 フリーランス(独身)
月の年金収入 約22万円 約7.1万円
月の最低生活費 約25万円 約20万円
月の不足額 約3万円 約13.5万円
老後30年の不足総額 約1,080万円 約4,860万円
必要な現役時代の貯蓄 2,000〜3,000万円 5,000〜6,000万円

つまり、フリーランス独身者の老後問題は実質「5,000万円問題」。これだけの金額を現役時代に積み上げるのは、年収500万のフリーランスには非常に厳しい目標です。

💡 フリーランスの老後問題が深刻な3つの理由

①国民年金は月約7.1万円のみ(厚生年金加入者の半分以下)
②退職金制度がない(小規模企業共済を使わない限り)
③健康診断・福利厚生もないため、老後の医療費負担が重い

国民年金だけでもらえる年金は月7万円のリアル

セツヤくんセツヤくん

国民年金って実際いくらもらえるの?

イソロくんイソロくん

40年フル加入で月70,608円、年847,300円。これが「満額」だから、加入期間が短いとそれ以下になる。65歳から月7万円で生活できる人は…正直、ほぼいない。

国民年金の支給額(2026年度・満額)

加入期間 月額 年額 老後30年累計
40年(満額) 約70,608円 約84.7万円 約2,542万円
35年 約61,800円 約74.1万円 約2,224万円
30年 約53,000円 約63.5万円 約1,906万円
25年 約44,100円 約53.0万円 約1,589万円

月7万円でできること・できないこと

📝 月7万円のリアルな生活

できること
 ・家賃3万円のアパート住み(地方都市)
 ・自炊中心の食費2万円
 ・最低限の光熱費1.5万円

できないこと
 ・友人との外食・旅行
 ・趣味への出費
 ・突発的な医療費・介護費
 ・住宅修繕・引越し

これは「生きる」ための金額であって、「生活を楽しむ」ための金額ではありません。

世代別「年金支給額」の見通し

世代 国民年金(月額予測) 受給開始年齢の傾向
現在60代(既に受給) 約7.1万円 65歳
現在50代 約7.1万円(横ばい予測) 65歳
現在40代 約5.5〜6万円(マクロ経済スライド調整) 65歳または67歳
現在30代 約5万円(さらに縮小可能性) 67歳または70歳
現在20代 約4〜5万円(不確実) 70歳以降の可能性

少子高齢化と「マクロ経済スライド」の調整により、若い世代ほど受給額が減り、受給開始年齢が遅くなる傾向です。30代以下のフリーランスは、現役時代に「年金以外の老後資金準備」が必須です。

【2026年9月29日 追記】ソロコンシェルジュの現行サービスは2026年9月14日で終了しました。加入者は9月14日付で退職、9月15日付で社会保険の資格を喪失しています(運営からの会員向け案内より)。新しい体制は時期・内容とも未定です。この記事にはサービス終了前の情報が含まれます。
資格を失った方の手続き(任意継続は退職日の翌日から20日以内)は こちらの記事 にまとめています。

厚生年金との生涯差額:加入年数別シミュレーション

セツヤくんセツヤくん

厚生年金との差ってどれくらい?

イソロくんイソロくん

下の表は、標準報酬月額88,000円(最低等級)で厚生年金に加入した場合だよ。加入20年で月約9,600円、30年で月約1.5万円の上乗せ。標準報酬が低いと、上乗せも控えめなんだ。

厚生年金加入時の老齢年金(30年加入)

加入年数 国民年金のみ(月額) 厚生年金加入(月額) 月額の差 老後30年累計の差
加入10年 約7.1万円 約7.5万円 +約4,800円 +約174万円
加入20年 約7.1万円 約8.0万円 +約9,600円 +約347万円
加入30年 約7.1万円 約8.6万円 +約1.5万円 +約521万円

✅ 最低等級だと上乗せは控えめ

標準報酬月額88,000円(最低等級)で30年加入した場合の生涯リターンは約521万円(20年なら約347万円)です。月額の上乗せは約1.5万円で、厚生年金だけで老後の不足を埋めるのは難しい水準です。

月25万円のゆとりある老後に近づく2つの戦略

セツヤくんセツヤくん

結局、月25万円の老後を実現するにはどうすればいい?

イソロくんイソロくん

2つの積立を組み合わせるのが王道。①小規模企業共済で退職金準備、②iDeCoで運用益非課税の積立。国民年金と合わせて、老後資金の土台を作れるよ。

戦略1:小規模企業共済で退職金準備(最大2,800万円)

月7万円(年84万円)を30年積み立てると、元本2,520万円+利回り約280万円=約2,800万円の退職金。これに加えて、所得控除で年30〜40万円の節税もできます。

戦略2:iDeCoで運用益非課税の積立(年5%運用で5,400万円)

月6.8万円(年81.6万円)を30年積み立て、年利5%で運用すると、元本2,448万円→約5,400万円の老後資金になります。運用益は完全非課税で、所得控除も毎年得られる二重の節税効果。

✅ 2戦略を活用した老後シミュレーション(年収500万・35歳開始)

  • 小規模企業共済:65歳時退職金 +2,800万円
  • iDeCo:65歳時運用資金 +5,400万円

年金以外の老後リスク:医療・介護・住宅

老後の不安は年金だけではありません。医療費・介護費・住宅費の3大コストも、フリーランスは自己負担で備える必要があります。

医療費:65歳以降の累計負担は約500万円

65歳以降の医療費は、自己負担割合が下がる(70歳から2割、75歳から1割)ものの、入院・手術の機会が増えるため累計負担は増加。65歳〜85歳の20年間で1人当たり累計約500万円の医療費負担が見込まれます。

介護費:要介護状態の累計負担は約580万円

厚労省の「介護給付費等実態調査」によると、要介護状態の平均期間は約5年、月の自己負担は約8万円。累計約580万円。重度になれば月15万円超になることも。

住宅費:賃貸 vs 持ち家の老後コスト

賃貸の場合、家賃8万円×30年=2,880万円の固定支出。持ち家の場合も修繕費・固定資産税で30年累計約500〜800万円。住宅費は老後30年で大きな違いが出る要素です。

老後の3大コスト 累計目安 対策
医療費 約500万円 高額療養費制度+医療保険
介護費 約580万円 介護保険+家族との相談
住宅費(賃貸の場合) 約2,880万円 早期持ち家 or UR賃貸
3大コスト合計 約4,000万円 年金+貯蓄+積立で備える

📝 「老後5,000万円問題」を分解すると

生活費の不足分(月13.5万×30年):約4,860万円
医療・介護費の上乗せ:約1,080万円

合計:約6,000万円のフリーランス老後資金が必要。共済2,800万、iDeCo 5,400万などを組み合わせれば計算上クリアを目指せます。

よくある質問

Q1. 国民年金の月額はいくら?

40年フル加入で月約65,000円(2026年度・満額)。加入期間が短いと比例して減額されます。30年加入なら月約49,000円、25年加入なら月約41,000円です。

Q2. 国民年金基金とiDeCo、どっちが有利?

iDeCoの方が圧倒的に有利。国民年金基金は終身年金として安心感はありますが、運用利回りが低く(約1.5%)、節税効果もiDeCoより小さい。月最大68,000円の枠を持つiDeCoの方が、運用次第で資産形成効果も大きく、所得控除も同等以上です。

Q3. 受給開始年齢を遅らせる「繰下げ受給」は得?

長生きする確信があれば得です。70歳まで5年遅らせると年金額は42%増、75歳まで10年遅らせると84%増。男性の平均寿命まで生きれば繰下げが有利な計算になりますが、健康状態と資産状況を考慮した判断が必要です。

Q4. 厚生年金に加入した期間の分は、やめた後も受け取れる?

はい。加入していた期間に応じた厚生年金が、65歳以降に受給開始されます。10年加入すれば10年分、20年加入すれば20年分の厚生年金が老後に積み上がります。

Q5. iDeCo・小規模企業共済・経営セーフティ共済、優先順位は?

年収500〜700万なら「小規模企業共済→iDeCo」の順、年収700万超なら「経営セーフティ共済→小規模企業共済→iDeCo」の順がおすすめ。資金繰りに余裕がない時は小規模企業共済から始めて、徐々に追加していくのが現実的です。

Q6. 厚生年金の保険料は将来上がる?

2017年9月以降は18.3%で固定されています。これは法律で決まっており、当面引き上げはない見込みです。一方、国民年金保険料は毎年改定があり、長期トレンドとして引き上げ傾向です。

Q7. 老後25万円の生活って具体的にどんな感じ?

家賃8万円のアパート、食費5万円(外食月数回含む)、光熱費・通信費2万円、医療・介護費2万円、交際費・趣味4万円、その他4万円の生活が可能です。年1回の旅行や趣味を楽しむ「ゆとりある老後」のラインがこの金額です。

Q8. 60歳以降も働き続ける場合は?

働き続けることは老後資金の不足を補う最も効果的な手段です。月10万円稼げれば老後30年で3,600万円のプラス。健康と需要があれば、フリーランスとして70歳まで働き続ける選択肢も有力です。ただし、健康状態が変わるリスクは常にあるため、年金・貯蓄の準備は並行して進めるのが安全です。

Q9. 社保切替サービスは違法ではないですか?

2026年3月の厚労省通達(保保発0318第1号)で「役員型スキーム」が規制されました。従業員型として運営していたソロコンシェルジュも、2026年9月14日で現行サービスを終了しました。詳細は2026年厚労省通達の徹底解説記事をご覧ください。

まとめ|「老後の自分への最大の投資」は今動くこと

セツヤくんセツヤくん

結局、何から始めればいい?

イソロくんイソロくん

優先順位はシンプル。①小規模企業共済(月5〜7万)、②iDeCo(月3〜6万)。どちらも早く始めるほど積立期間が長くなる。「いつかやろう」を「今月やる」に変えるだけで、老後は大きく変わるよ。

✅ この記事のまとめ

  • フリーランスの老後問題は実質「5,000万円問題」
  • 国民年金だけだと月70,608円、ゆとりある老後(月25万円)まで月18万円不足
  • 小規模企業共済+iDeCoで老後資金を積み立てる
  • 積立は早く始めるほど効果が大きい、今動くのが最善

執筆者ソロ節約ラボ編集部

運営・執筆は、東京都内で活動するパーソナルトレーナー・個人事業主。国民健康保険料の高さに悩み、社会保険切替サービス「ソロコンシェルジュ」の元加入者です(2026年9月14日のサービス終了まで約10か月加入)。制度の記述は厚生労働省・日本年金機構・協会けんぽ等の一次情報と、加入していた当事者としての経験に基づいています。

運営者情報・編集方針

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