最終更新日:2026年10月21日
フリーランスって、売上からいくら手元に残るんですか?ネットで調べたら「手取りは6割」って書いてあったんですけど…
その「6割」、経費や国保を甘く見積もった数字であることが多いんです。2026年の税制と保険料で1円単位まで計算すると、実態は売上の約5割。正確な早見表をお見せしますね。
この記事は、フリーランス・個人事業主の手取りを売上200万〜1,200万円まで1円単位で計算した早見表です。2026年分の所得税(2026年12月1日施行の改正後の基礎控除)・住民税・令和8年度の国民健康保険料・国民年金を、すべて計算式つきで積み上げています。
📝 早見表の前提(全表共通)
経費率30%/青色申告特別控除65万円/東京23区(世田谷区・令和8年度料率)/40歳未満・単身/2026年分(令和8年分)の所得税と、その所得にかかる2027年度(令和9年度)の住民税(復興特別所得税・調整控除・均等割5,000円含む)。個人事業税・消費税は業種や課税事業者かどうかで変わるため本表には含めていません(FAQ参照)。国保の軽減(単身で所得100万円以下は均等割を2〜7割軽減)は入れています。
【早見表】売上別の手取り(国保・国民年金のまま)
まずは今のまま(国保)だと、いくら残るんでしょう?
売上200万円から100万円刻みで、社会保険料・税金・手取りを実額で並べました。
| 売上(年収) | 事業所得 | 社会保険料 (国保+年金) |
税金 (所得税+住民税) |
手取り | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 75万円 | 302,554円 | 5,800円 | 1,091,646円 | 54.6% |
| 300万円 | 145万円 | 390,029円 | 66,300円 | 1,643,671円 | 54.8% |
| 400万円 | 215万円 | 464,089円 | 160,900円 | 2,175,011円 | 54.4% |
| 500万円 | 285万円 | 538,149円 | 255,400円 | 2,706,451円 | 54.1% |
| 600万円 | 355万円 | 612,209円 | 350,000円 | 3,237,791円 | 54.0% |
| 700万円 | 425万円 | 686,269円 | 473,800円 | 3,739,931円 | 53.4% |
| 800万円 | 495万円 | 760,329円 | 660,500円 | 4,179,171円 | 52.2% |
| 900万円 | 565万円 | 834,389円 | 850,900円 | 4,614,711円 | 51.3% |
| 1000万円 | 635万円 | 908,449円 | 1,041,300円 | 5,050,251円 | 50.5% |
| 1100万円 | 705万円 | 982,509円 | 1,241,900円 | 5,475,591円 | 49.8% |
| 1200万円 | 775万円 | 1,056,569円 | 1,432,400円 | 5,911,031円 | 49.3% |
計算の基準(2026年10月21日に作り直し):所得税は2026年分(令和8年分)、住民税はその所得にかかる2027年度(令和9年度)分、国保は世田谷区の令和8年度の料率(令和9年度の料率は未公表)。所得税の基礎控除は2026年12月1日施行の改正後の額(合計所得489万円以下104万円・655万円以下67万円・2,350万円以下62万円、国税庁 No.1199)、住民税は所得割10%・基礎控除43万円・調整控除2,500円・均等割5,000円(都民税1,000円+区民税3,000円+森林環境税1,000円)、国保は単身で所得100万円以下の均等割の軽減を入れています。
手取り率は売上の49〜55%に収まります。「手取りは6割」という通説との差は、①国保が所得に比例して重くなること(令和8年度・世田谷区で所得割10.58%)、②経費30%を実際に使った後の現金で見ていること、の2点です。経費をほとんど使わない業種なら、手取り額はこの表より増えます(手取り率の定義はFAQ参照)。
🤖 「自分の場合はいくら?」をAIに聞いてみる
上の表は一定の条件で計算した概算です。あなたの年収・家族構成で出し直すなら、普段お使いのAIに聞くのが早い。ボタンを押すとこの記事のURLと質問文がそのまま送信されます。返ってきた答えに、ご自身の年収・職種・家族構成を伝えると具体的な数字になります(Claudeはログインが必要です)。
※AIの回答は概算・参考情報です。正確な金額はお住まいの自治体にご確認ください。
計算式の全公開|この表はこう作られている
どうやって計算してるんですか?サイトによって数字が違って混乱します…
式を全部見せます。2026年分は基礎控除が所得帯で変わる特例があって、ここを反映していないサイトが多いんですよ。
💡 計算式(2026年分)
事業所得=売上−経費(30%)−青色申告特別控除65万円
国民健康保険=(事業所得−基礎控除43万円)×10.58%+均等割67,073円(上限96万円・世田谷区。所得100万円以下は均等割を2〜7割軽減)
国民年金=17,920円×12ヶ月=215,040円
所得税=(事業所得−社会保険料控除−基礎控除62万〜104万円※)×累進税率×1.021(復興特別所得税)
住民税=(事業所得−社会保険料控除−基礎控除43万円)×10%−調整控除2,500円+均等割5,000円
手取り=売上−経費−社会保険料−税金(青色控除は現金支出ではないため手取り計算では引き戻し)
表の国保は、国民健康保険に入っている前提の額です。会社員を辞めた直後なら、勤め先の健康保険を任意継続する選択肢もあり、退職日の翌日から20日以内に申し出る必要があります。国保・扶養との選び方と期限は任意継続・国保・扶養の選び方と期限にまとめています。
※2026年分(令和8年分)の基礎控除(所得税)は、2026年12月1日施行の改正で次の3段階になりました:合計所得489万円以下→104万円/489万円超655万円以下→67万円/655万円超2,350万円以下→62万円(国税庁 No.1199)。2025年分の「95万〜58万円」や、2024年分までの「48万円」で計算すると、税額が過大に出ます。住民税の基礎控除は43万円のままです。
年収別の深掘り|500万・600万・800万の内訳
売上500万円の手取り:2,706,451円
事業所得285万円に対し、国民健康保険323,109円+国民年金215,040円、所得税64,800円(基礎控除104万円適用)+住民税190,600円。合計負担793,549円を差し引き、経費を除いた手元資金は2,706,451円(手取り率54.1%)です。控除の使い方や詳細な最適化は年収500万フリーランスの手取り最大化ガイドで解説しています。
売上600万円の手取り:3,237,791円
事業所得355万円に対し、国民健康保険397,169円+国民年金215,040円、所得税96,800円(基礎控除104万円適用)+住民税253,200円。合計負担962,209円を差し引き、経費を除いた手元資金は3,237,791円(手取り率54.0%)です。控除の使い方や詳細な最適化は年収600万フリーランスの手取り最大化で解説しています。
売上800万円の手取り:4,179,171円
事業所得495万円に対し、国民健康保険545,289円+国民年金215,040円、所得税282,100円(基礎控除67万円適用)+住民税378,400円。合計負担1,420,829円を差し引き、経費を除いた手元資金は4,179,171円(手取り率52.2%)です。控除の使い方や詳細な最適化は年収800万フリーランスの社会保険料で解説しています。
手取りを増やす順番|今の手取りが増えるのはこの2つ
手取りを増やすには、何から手をつければいいですか?
「今の手取りが増える施策」と「将来に備える施策(今の手取りは減る)」を分けるのがコツです。
今の手取りが増える2ステップ:①青色申告特別控除65万円(未適用なら最優先。税・国保の両方に効きます)→②経費の適正計上(家事按分の見直し。国保にも効きます)。
一方、iDeCo・小規模企業共済は「節税しながら将来に備える」施策です。掛金は全額所得控除で税は下がりますが、掛金のほうが節税額より大きいため今の手取りはむしろ減り、資金も原則60歳・廃業まで動かせません。また、これらの所得控除は国民健康保険料には1円も効きません。目的を分けて使い分けてください。
よくある質問
Q1. 経費率が30%じゃない場合はどう読み替えればいいですか?
「売上−実際の経費−65万円=事業所得」を計算し、表の「事業所得」列が近い行を見てください。手取りは「その行の手取り+(表の経費額−実際の経費額)」でおおよそ補正できます。正確には記事内のシミュレーターで実額計算するのが早いです。
Q2. 国保の軽減は反映されていますか?
反映しています。事業所得100万円以下は2割軽減、74万円以下は5割軽減、43万円以下は7割軽減(いずれも2026年度・単身)で均等割が下がります。表では売上200万円(事業所得75万円)の行が2割軽減です。
Q3. 40歳以上の場合はどう変わりますか?
国保に介護分(世田谷区・令和8年度で所得割2.43%+均等割17,800円、上限17万円)が加算されます。事業所得400万円なら年約10.4万円の上乗せです。
Q4. 個人事業税や消費税は入っていますか?
入っていません。個人事業税は法定業種のみ・事業所得290万円超の部分に3〜5%、消費税は課税事業者(インボイス登録者含む)のみ発生し、業種・登録状況で大きく変わるためです。該当する方は別途差し引いてください。
Q5. 会社員の手取りと比べると多い?少ない?
同じ額面なら、フリーランスは厚生年金の会社負担分がなく国保も所得比例のため、社会保険の「中身」で見劣りします。額面400万円の会社員との詳しい比較は年収別記事で解説していますが、単純な手取り額だけでなく年金・保障の差まで見るのが公平です。
Q6. 「手取り率5割」は経費を含めた数字ですか?
はい。本記事の手取りは「売上−経費−社会保険料−税金」で、経費30%を実際に使った後の手元資金です。経費を差し引く前の「可処分(売上−税・社保のみ)」で見れば率は上がります。他サイトの「6割」はこの定義の違いか、国保・2026年税制の反映漏れであることが多いです。
まとめ|手取りは売上の「約5割」
2026年の税制と令和8年度の保険料で正確に計算すると、経費30%のフリーランスの手取りは売上の49〜55%。まずは早見表で自分の位置を確認し、シミュレーターで実額を出してから動いてください。
※本記事の金額は前提条件(経費率30%・青色65万・東京23区・単身・40歳未満)に基づく試算です。自治体・所得・家族構成・経費により変動します。
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