【2026年10月〜】「106万円の壁」撤廃で何が変わる?フリーランス・個人事業主への影響と社保の備え

解説

最終更新日:2026年6月20日

セツヤくんセツヤくん

「106万円の壁がなくなる」ってニュースで見たけど、フリーランスの僕にも関係あるの?

イソロくんイソロくん

結論から言うと、撤廃の直接の対象は「雇われて働くパート・アルバイト」なんだ。でもフリーランスにも巡り巡って関係してくる。順番に整理しよう。

2025年6月に成立した年金制度改正法によって、社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象が段階的に広がります。その第一弾として、2026年10月にいわゆる「106万円の壁」が撤廃されます。このニュースはパートで働く人だけでなく、フリーランス・個人事業主にとっても「社会保険が当たり前になっていく流れ」として無視できません。この記事では、何が変わるのか、誰が対象なのか、そしてフリーランスが今できる備えまでを整理します。

✅ この記事でわかること

  • 2026年10月の「106万円の壁」撤廃で何が変わるのか
  • 撤廃の対象は誰か(フリーランス本人の本業は対象外)
  • フリーランス・個人事業主にも関係してくる2つのケース
  • 社会保険が当たり前になる時代に、フリーランスが今できる備え

⚠️ 注意

本記事は2026年6月時点で公表されている改正内容にもとづきます。施行スケジュールや細部は今後の政令等で変わる場合があります。最新は厚生労働省の発表をご確認ください。金額・要件は個人の状況により異なります。

「106万円の壁」とは?2026年10月に何が変わるのか

セツヤくんセツヤくん

そもそも106万円の壁って何だっけ?

イソロくんイソロくん

パートで働く人が社会保険に入るかどうかの「賃金のライン」のことだよ。これが2026年10月になくなるんだ。

「106万円の壁」とは、短時間労働者が社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象になるかどうかを分ける賃金要件のことです。これまでは「月額賃金8.8万円以上(年収にして約106万円)」という基準があり、これを下回ると加入対象外でした。2026年10月から、この賃金要件が撤廃されます。これにより、週の所定労働時間が20時間以上であれば、賃金の多少にかかわらず社会保険の加入対象になります。

項目 改正前 2026年10月以降
賃金要件 月8.8万円以上(約106万円) 撤廃
労働時間 週20時間以上 週20時間以上(変更なし)
対象 賃金ラインを超えた短時間労働者 週20時間以上なら賃金を問わず対象

✅ 2026年10月以降も「残る」加入要件

106万円(月額賃金8.8万円)の賃金要件は撤廃されますが、短時間労働者が社会保険に加入するかどうかは、次の要件で判断されるようになります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 2ヶ月を超えて雇用される見込みがある
  • 学生でないこと
  • 勤務先の従業員数(当面は51人以上。この企業規模要件も2027年10月以降に段階的に縮小され、将来的な撤廃が予定されています)

つまり「賃金の壁」はなくなり、「週20時間以上働くかどうか」が実質的な判断基準に近づきます。

「106万円の壁」と「130万円の壁」はどう違う?

混同されやすい2つの「壁」ですが、意味する制度が異なります。

意味 2026年10月改正での扱い
106万円の壁 パート・短時間労働者が「自分で社会保険に加入する」義務が生じる賃金ライン 賃金要件が撤廃され、週20時間以上などの要件で判断へ
130万円の壁 配偶者などの「扶養(被扶養者)でいられる」年収の上限 今回の改正では撤廃されず、引き続き残ります

なお、週20時間以上働く方は130万円に届く前に社会保険の加入対象となるケースが多く、実務上は「106万円の壁(週20時間)」側の基準が先に効く場面が増えます。制度の詳細や数字は今後の改正で変わり得るため、最新情報をご確認ください。

さらに先の改正|企業規模要件の撤廃と個人事業所への拡大

セツヤくんセツヤくん

変わるのは106万円の壁だけ?

イソロくんイソロくん

いや、これは第一歩。もっと大きな「適用拡大」が段階的に続くんだ。

今回の改正では、賃金要件の撤廃に続いて、社会保険の加入対象がさらに広がっていく予定です。主な流れは次のとおりです。

📝 適用拡大の段階スケジュール(予定)

  • 2026年10月:賃金要件(106万円の壁)を撤廃
  • 2027年10月〜2035年:企業規模要件(従業員51人以上)を段階的に縮小・撤廃
  • 2029年10月〜:従業員5人以上の個人事業所について、これまで対象外だった業種(17業種以外)も加入対象に拡大(既存の事業所は当分のあいだ対象外とされています)

将来的には、勤務先の規模にかかわらず、週20時間以上働く短時間労働者は社会保険に加入する方向です。「社会保険は一部の人のもの」から「働く人みんなのもの」へと、制度の前提が変わりつつあると言えます。

撤廃の対象は誰?フリーランス本人の本業は対象外

セツヤくんセツヤくん

で、結局フリーランスの僕は社保に入らされるの?

イソロくんイソロくん

そこが大事なポイント。今回の撤廃は「雇われて働く人」の話で、独立して事業をしているフリーランスの本業の所得には、直接は適用されないんだ。

ここは誤解しやすいので、はっきり整理します。今回の「106万円の壁」撤廃や適用拡大は、勤め先に雇用されて働くパート・アルバイトなどの短時間労働者が対象です。独立して事業を営む個人事業主・フリーランスが、自分の事業所得について自動的に社会保険へ加入させられる、という話ではありません。フリーランスの本業は、引き続き国民健康保険・国民年金が基本です。

ただし、フリーランスにも巡り巡って関係してくるケースが2つあります。

💡 フリーランスにも関係する2つのケース

① 配偶者がパートで働いている場合
配偶者が週20時間以上のパートをしていると、賃金要件の撤廃で社会保険の加入対象になり、扶養から外れて世帯の負担が変わることがあります。

② 自分が人を雇っている個人事業主の場合
2029年10月以降、従業員5人以上の個人事業所は対象業種が広がります。スタッフを雇っているサロン・店舗オーナーなどは、将来の社会保険加入義務を見据えた準備が必要になる場合があります。

社会保険が当たり前になる時代、フリーランスが今できる備え

セツヤくんセツヤくん

国保のままだと、これからどうなるのかな…

イソロくんイソロくん

国保の負担は上がり続けてるんだ。2026年度は上限が113万円まで上がった。だから「国保のまま我慢する」か「自分から社保に入る」かを、一度考えておく価値があるよ。

社会保険の適用が広がる一方で、国民健康保険の負担は年々重くなっています。国保の年間上限額は2024年度106万円、2025年度109万円、2026年度113万円と上がり続けています(40歳未満は96万円)。所得が高いフリーランスほど、国保の重さを実感しやすい状況です。

こうした流れの中で、フリーランスが自分から社会保険に入る方法のひとつが、従業員(短時間正社員)として雇用されて社会保険に加入する「従業員型」のサービスです。代表的なのがソロコンシェルジュで、利用者を従業員として雇用し、月10時間のリサーチ・アンケート回答などの実際の業務にもとづいて社会保険へ加入します。実質負担は会費49,500円から給与の手取り約5,000〜5,500円を差し引いた月約44,000円が目安です。

⚠️ 「役員型」は2026年の通達後リスクが高まっています

同じ社会保険加入サービスでも、役員として加入する「役員型」は、2026年3月18日の厚生労働省通達(保保発0318第1号)以降、実態で判断される流れの中でリスクが指摘されています。実際の業務にもとづく「従業員型」のほうが、制度変更後も安心して使いやすいと考えられます。

社保切替が向く人・向かない人

イソロくんイソロくん

ただし、誰でも得になるわけじゃない。ここは正直に言っておくね。

⚠️ 誰にとっても得になるわけではありません

社保切替で負担が下がるのは、今の国保+国民年金がそれなりに高い人です(目安:月44,000円・年52万8,000円以上。切替後はこの額で固定されるため、ここが損益の分かれ目です。配偶者を扶養に入れる場合は分岐がさらに下がります)。もともと国保が安い人・すでに社会保険に加入している人・75歳以上の人は、メリットが出にくく、むしろ割高になることもあります。実額は自治体・所得・家族構成で変動するので、シミュレーションで確認するのが確実です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 106万円の壁が撤廃されると、フリーランスも社保に入らないといけない?

いいえ。撤廃の対象は勤め先に雇用される短時間労働者です。独立して事業を営むフリーランスの本業の所得が、自動的に社会保険の対象になるわけではありません。本業は引き続き国民健康保険・国民年金が基本です。

Q2. 130万円の壁はどうなりますか?

130万円の壁(扶養に入れるかどうかの基準)は、今回の106万円の壁撤廃とは別の論点です。最新の扱いは状況により変わるため、配偶者の扶養に関わる場合は勤務先や年金事務所での確認をおすすめします。

Q3. フリーランスが自分で厚生年金に入る方法はありますか?

従業員として雇用されて社会保険に加入する「従業員型」のサービスを使う方法があります。国保・国民年金から社会保険(協会けんぽ+厚生年金)へ切り替わり、傷病手当金などの保障も付きます。ただし得になるかは今の国保の高さ次第なので、事前のシミュレーションが大切です。

Q4. 個人事業主として人を雇っています。いつから社会保険が必要になりますか?

2029年10月以降、従業員5人以上の個人事業所について対象業種が拡大される予定です。ただし既存の事業所は当分のあいだ対象外とされるなど経過措置があり、細部は今後の政令で決まります。最新の厚生労働省の発表を確認してください。

Q5. 社保に切り替えると、今より負担は必ず下がりますか?

必ず下がるわけではありません。今の国保が高い人ほど下がりやすい一方、もともと国保が安い人や75歳以上の人はメリットが小さい、または割高になることもあります。金額は自治体・所得・家族構成で変わるため、シミュレーションで確認しましょう。

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まとめ

2026年10月の「106万円の壁」撤廃は、まず雇われて働くパート・アルバイトに影響する改正です。フリーランスの本業が直接対象になるわけではありませんが、配偶者の働き方や、人を雇う個人事業主の将来、そして社会保険が当たり前になっていくという大きな流れの中で、無関係ではありません。国保の負担が上がり続ける今、国保のまま我慢するのか、自分から社保に入るのか、一度シミュレーションで比べてみる価値はあります。その際は、制度変更に強い従業員型を軸に検討するのが安心です。

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執筆者ソロ節約ラボ編集部

運営・執筆は、東京都内で活動するパーソナルトレーナー・個人事業主。国民健康保険料の高さに悩み、社会保険切替サービス「ソロコンシェルジュ」に加入して半年の実加入者です。制度の記述は厚生労働省・日本年金機構・協会けんぽ等の一次情報と、加入者としての実体験に基づいています。

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