「社保チャンネル」の社会保険は大丈夫?運営会社の記載なし・月27,000円の中身を9月14日の厚労省通知で確認【2026年10月】

未分類

最終更新日:2026年10月19日

「社保チャンネル」は、フリーランス・個人事業主が従業員として雇われる形で社会保険(健康保険・厚生年金)に加入できるとうたうサービスです。公式LINEの読者から「インスタで見かけた」と質問をいただいたので、公式サイト(shaho-channel.com)と運営者のnoteに書かれていることを、2026年9月14日の厚生労働省の通知と並べて整理します。

この記事は、公式サイト・社保チャンネルの公式LINEに友だち登録すると届く案内画像(よくある質問・サービスの相関図・業務の流れ)と、公的な資料だけをもとにしています。サービスが合法か違法かを判定するものではありません。

先に結論

  • 特定商取引法に基づく表記の事業者名は「社保チャンネル」というサービス名だけで、運営会社の名前・代表者・電話番号が書かれていない。案内画像では雇い主が「Build」、会費の払い先が「GOOD LIFE」とされているが、どちらも正式な法人名・所在地は書かれていない
  • サイトの図では、毎月運営協力費138,000円を払い、給与111,000円を受け取る。差額を「額面負担額 月27,000円」「業界最安値」としている
  • 9月14日の通知は、報酬を上回る額の会費等を払っている場合を判定の1つ目に挙げ、会費等は協力金なども含め名称を問わないとしている。138,000円は111,000円を上回る
  • 案内画像によると、業務は毎月テーマに沿った写真を1枚撮影して送るだけ(「業務は以上となります」)。通知の②「業務が経常的な労務の提供と認められない」に関わる
  • 案内画像は2社を「全く別の契約・相互の関係はない」としているが、通知は、会費の払い先が別の法人でも、それが雇われる条件になっていれば同じ事業所として扱うとしている
  • 給与111,000円からは本人の社会保険料が天引きされる。協会けんぽ東京で計算すると約15,600円で、毎月の持ち出しは約42,600円(40歳未満)
  • 検討するなら、雇い主の会社名・労働時間と業務・通知への考え方・資格が取り消されたときの扱いを書面で確認してから
セツヤくんセツヤくん

インスタで「社会保険に月27,000円で入れる」っていう社保チャンネルを見ました。9月14日の厚労省の発表に沿っているから安心、とも書いてあるんですけど……

イソロくんイソロくん

サイトに書いてある数字を、そのまま通知の文言に当ててみよう。それと、誰が運営しているのかも大事なポイントだよ。

1. 公式サイトに書かれていること

2026年10月19日に公式サイト(トップページ・特定商取引法に基づく表記・プライバシーポリシー)を確認しました。主な記載は次のとおりです。

  • 費用:「社会保険 業界最安の月 額面負担額 27,000円で入れます」「相場より月1万円〜2万円安い」
  • お金の流れ:「コミュニティプラットフォームに加入 毎月運営協力費をお支払い」138,000円、「業務を行ってもらい、給与として受け取り」111,000円
  • 働き方:従業員型・役員登記なし・総支給111,000円/月・完全フレックス制
  • 手続き:LINEで無料相談 → 個別診断 → 書類・加入手続き。加入まで最短2週間。社会保険労務士事務所と提携
  • 通知について:「当サービスは、2026年9月14日に厚生労働省から発表されたプレスリリースの内容に沿った形のサービスとなっておりますので ご安心ください」
  • 他社比較:社保チャンネル2.7万円・他社サービスA 4.5万円・他社サービスB 5.6万円(他社の名前と計算の前提は書かれていない)

2. 運営会社がわからない

特定商取引法に基づく表記とプライバシーポリシーの記載は次のとおりです。

  • 事業者名:「社保チャンネル」(サービス名と同じ。株式会社などの法人名は無い)
  • 代表者:記載なし
  • 所在地:東京都中央区銀座6丁目13番16号
  • 電話番号・メールアドレス:「ご請求をいただいた場合、遅滞なく開示いたします」
  • 問い合わせ:公式LINEのみ
  • 販売価格:0円。一方で支払い方法は銀行振込・毎月末日、「お支払い済みの会費について返金は行っておりません」

このサービスでは、利用者はどこかの会社に従業員として雇われ、その会社で社会保険に入ります。ところが、雇い主になる会社の名前は、公式サイトのどこにも書かれていません。

社保チャンネルの公式LINEに友だち登録すると届く案内画像(サービスの相関図・よくある質問)には、もう少し詳しい説明があります。

  • 雇い主:「Build」。会員を正社員として雇い、額面111,000円の給与を払う(末締め・翌月25日まで)
  • 会費の払い先:「GOOD LIFE」。会員は参加費138,000円を毎月20日までに払う。コミュニティ・案件紹介・交流会などのサービスを受ける
  • 社保チャンネル:「BuildとGOOD LIFEの企業情報を紹介するだけ」「金銭のやり取りを行いません」
  • 「BuildとGOOD LIFEは全く別の契約・別軸の関係です」「両社は独立したサービスであり、相互の関係はありません」
  • ただし、よくある質問では「会費138,000円から額面給与111,000円の差額27,000円が額面上のご負担額です」と、2社のお金を1つの負担額として案内している

「Build」「GOOD LIFE」はどちらも、株式会社などの正式な法人名・所在地・代表者が書かれていません。この名前だけでは、法人番号で実在を確かめることができません。

雇い主がわからなければ、どの事業所の社会保険に入るのか、法人番号で実在するか、資格が取り消されたときに誰に何を求めればよいかも確かめられません。サイトのドメインは2026年8月24日に取得されたもので、まだ新しいサービスです。

セツヤくんセツヤくん

会社の名前が無いのはちょっと不安ですね。じゃあ、138,000円払って111,000円もらう、っていう形はどうなんですか?

イソロくんイソロくん

9月14日の通知に、まさにその「会費と報酬の関係」の判定が書いてあるんだ。順番に見ていこう。

3. 9月14日の通知の判定基準

厚生労働省は2026年9月14日、「勤務時間が短い正規型の労働者として事業所に使用されている個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」(保保発0914第2号・年管管発0914第2号)を出しました。サイトが「プレスリリース」と書いているのは、この通知のことと考えられます。判定は次の2つです。

  • ① 報酬が業務の対価として経常的な支払いとは認められない:報酬を上回る額の会費等を支払っている場合。同額や下回る場合でも、会費等が報酬の多くを占めることが常態化していれば認められない可能性がある。会費等は勉強費・広告費・掲載料・参加料・コンサルタント料・協力金・委託費など名称を問わない。関連法人等への迂回も、それが労働者となる上での実質的な条件になっていて単に資金を移動させているにすぎない場合は、同一の事業所として扱う
  • ② 業務が経常的な労務の提供と認められない:1週間または1か月の労働時間が常態的に極端に短い場合や、業務が自己研さん・形式的な活動報告・会員同士の紹介などにとどまる場合

①と②の両方に当たれば原則として被保険者資格がないものとして扱い、どちらか一方なら就労の実態に照らして個別に判断する、とされています。

4. サイトの数字を通知に当てはめると

ここからは、サイトの記載と通知の文言の対応関係だけを示します。資格があるかどうかを最終的に判断するのは保険者(協会けんぽ・健康保険組合・日本年金機構)です。

  • ①について:サイトの図では、運営協力費138,000円を払い、給与111,000円を受け取ります。払う額が受け取る額を27,000円上回っています。通知の「報酬を上回る額の会費等」という文言に当たる数字です。「運営協力費」という名前でも、通知は名称を問わないとしています
  • 払い先が別の会社であることについて:案内画像は、給与を払うBuildと会費を受け取るGOOD LIFEを「全く別の契約」としています。通知は、関連法人への迂回が雇われるための実質的な条件になっている場合は同一の事業所として扱う、としています。社保チャンネルはこの2社を組にして紹介し、差額27,000円を「負担額」として案内しています
  • ②について:案内画像では、業務は「毎月テーマに沿ったお写真を1枚撮影して画像を公式LINEへお送りください。業務は以上となります」とされています。撮った写真は「弊社フリー素材プラットフォームで販売」するとしています。月に写真1枚の撮影が、通知の「1か月間の労働時間が常態的に極端に短い」に当たるかどうかは、数値基準がないため断定できませんが、まさにこの論点に関わる記載です
  • 通知の対象の説明:案内画像のよくある質問は、厚生労働省の通達の対象を「一般社団法人の理事になる実態の無い組織、業務を行って社保加入をする」ことと説明しています。しかし9月14日の通知は、役員ではなく正規型の労働者(従業員)として加入する形を対象にしたものです。理事型を対象にしたのは2026年3月の通達です
セツヤくんセツヤくん

でも月27,000円なら、国保と国民年金よりだいぶ安いですよね?

イソロくんイソロくん

27,000円は「額面」の差額なんだ。給与の111,000円からは、本人の社会保険料が天引きされる。そこを足すと見え方が変わるよ。

5. 「額面負担額27,000円」と実際の持ち出し

給与を受け取る従業員は、健康保険料と厚生年金保険料の半分を給与から天引きされます。給与111,000円なら標準報酬月額は110,000円(107,000円以上114,000円未満の等級)です。

雇い主の会社も加入先の健康保険もサイトに書かれていないため、ここでは所在地の東京都にある事業所が協会けんぽに加入していると仮定して、令和8年度の料率で計算します。

  • 健康保険料(9.85%の半分):5,417.5円
  • 子ども・子育て支援金(0.23%の半分):126.5円
  • 厚生年金保険料(18.3%の半分):10,065円
  • 天引きの合計:約15,609円(40歳以上は介護保険料891円が加わり約16,500円)

運営協力費138,000円を払い、給与111,000円から約15,609円が引かれて約95,391円が手元に入ります。毎月の持ち出しは約42,600円(40歳以上は約43,500円)です。ここに給与から引かれる所得税などが加わります。

運営者のnoteでは、2026年9月3日の記事で「一律月額33,000円は、健康保険料、厚生年金保険料、サービス利用料の合計」と案内していました。9月14日の通知のあと、料金の示し方が「保険料込みの月33,000円」から「運営協力費と給与の差額27,000円」に変わっています。保険料の天引きを足すと、毎月の持ち出しは9月の案内より多くなります。

セツヤくんセツヤくん

27,000円って、保険料を引く前の数字だったんですね。入る前に、何を確認すればいいですか?

イソロくんイソロくん

次の5つを、口頭じゃなくて書面かメールでもらうといいよ。答えられない、はぐらかされるなら、それ自体が判断材料になる。

6. 申し込む前に確認したい5つのこと

  1. 「Build」「GOOD LIFE」の正式な法人名・所在地・代表者(法人番号で実在を確認できるか)と、2社の資本・人の関係
  2. 会費が給与を上回る形と、GOOD LIFEへの入会がBuildに雇われる条件になっていないかについて、9月14日の通知をどう考えているか(年金事務所に確認した時期と内容)
  3. 写真1枚の撮影のほかに業務があるか、1か月の労働時間はどれくらいか(通知の②)
  4. 給与から天引きされる保険料・税金を含めた、毎月の実際の持ち出し額
  5. 資格がさかのぼって取り消された場合の、保険料・医療費の返納・国民年金の扱いと、運営協力費の返金の有無

社保加入サービス全般の判断の物差しは「個人事業主が入れる社会保険」は怪しい?違法?、同じく従業員型をうたうサービスの確認は「みんなの会社」の社会保険は大丈夫?、サービスの全体像は社保加入サービスの全体マップにまとめています。

よくある質問

Q1. 社保チャンネルはどんなサービスですか?

公式サイトによると、フリーランス・個人事業主が従業員として雇われ、社会保険に加入する仕組みです。毎月運営協力費138,000円を払い、給与111,000円を受け取り、差額の月27,000円を「額面負担額」としています。

Q2. 運営会社はどこですか?

2026年10月19日時点で、特定商取引法に基づく表記の事業者名は「社保チャンネル」だけで、運営会社の法人名・代表者・電話番号は書かれていません。案内画像では雇い主が「Build」、会費の払い先が「GOOD LIFE」とされていますが、どちらも正式な法人名・所在地は書かれていません。申し込む前に確認してください。

Q3. どんな仕事をするのですか?

案内画像によると、毎月1日に届くテーマに沿って写真を1枚撮影し、月末までに会員専用LINEで送るのが業務で、「業務は以上となります」とされています。

Q4. 本当に月27,000円で社会保険に入れますか?

27,000円は運営協力費と給与の額面の差額です。給与からは本人の社会保険料が天引きされ、協会けんぽ東京・40歳未満で計算すると約15,609円です。毎月の持ち出しは約42,600円になります。

Q5. この記事は社保チャンネルが違法だと言っていますか?

言っていません。公式サイトの記載と、厚生労働省の通知の判定基準を並べたものです。資格の有無を最終的に判断するのは保険者です。

出典:社保チャンネル公式サイト(https://shaho-channel.com/ ・特定商取引法に基づく表記・プライバシーポリシー。2026年10月19日確認)、社保チャンネル公式LINEの案内画像(友だち登録時に届くよくある質問・サービスの相関図・業務の流れ。2026年10月19日確認)、社保チャンネル運営者のnote「月額33,000円の中身を、1円単位ではなく3つの役割で分解する」(2026年9月3日)、厚生労働省「勤務時間が短い正規型の労働者として事業所に使用されている個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」(保保発0914第2号・年管管発0914第2号、令和8年9月14日)、全国健康保険協会「令和8年3月分からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)」。記載内容は確認時点のものです。

コメント

ソロコンシェルジュ申込時に、
紹介者欄「ソロ節約ラボ」で5,000円
申込→
タイトルとURLをコピーしました