最終更新日:2026年10月13日
「みんなの会社」は、個人事業主・フリーランスが社員として入社することで社会保険(健康保険・厚生年金)に加入できるとうたうサービスです。社保加入サービスをやめた人から「乗り換え先としてどうか」という質問をいただいたので、公式サイト(minano-kaisya.com)に書かれていることと、2026年9月14日の厚生労働省の通知を並べて整理します。
この記事は、サイトの記載と公的な資料だけをもとにしています。サービスの良し悪しや、合法か違法かを判定するものではありません。
先に結論
- サイトによると、役員ではなく社員として入社し、費用は「どれだけ稼いでも」月35,000〜36,000円、必要な作業は「毎月10分ほど」
- サイトには運営会社の正式名称・所在地、会費と給与の額の内訳が書かれていない
- 9月14日の通知は、役員ではない従業員として加入する形も対象にした。①会費等が報酬の多くを占める、②勤務時間が極端に短いなど経常的な労務と言えない、の両方に当たれば原則として被保険者資格なし
- サイトは2026年5月から更新されておらず、この通知を踏まえた説明はまだない
- 検討するなら、運営会社・会費と給与の額・通知への考え方・資格が取り消されたときの対応を書面で確認してから
社保加入サービスをやめたあと、「みんなの会社」っていうのを見つけました。役員にならない社員型だから安全、って書いてあるんですけど……
サイトに何が書いてあって、何が書いてないかを分けて見よう。9月14日に、まさに「役員ではない従業員型」についての通知が出ているんだ。
1. 公式サイトに書かれていること
2026年10月13日に公式サイト(トップページと「仕組み解説ページ」)を確認しました。主な記載は次のとおりです。
- 仕組み:「「みんなの会社」に入社して社員になっていただくことで、加入が可能」。理事・役員にはならず「社員としての関係のみ」
- 費用:「月々の保険料(どれだけ稼いでも)35,000~36,000円/月」。「年間100万円以上の削減になる方も」
- 作業:デメリットとして「毎月10分ほど簡単な作業等をしていただく必要がございます」
- 合法性:「年金事務所と協議を重ねた上で、問題がないことを確認済」
- 将来の扱い:「将来にわたって、制度変更が起きないことを保証することはできません」。遡及については「利用者個人に対して、過去に遡って不利益が生じることは考えにくいとされています」としつつ「将来の結果について確約することはできません」
- 類似サービスとの違い:「社団法人の理事になる場合と違い、給与バック等の複雑な仕組みがございません」

2. 公式サイトに書かれていないこと
- 運営会社の正式名称・所在地・代表者:サイト上に見当たりません。連絡先はメールアドレスとお問い合わせフォームです
- 会費と給与の額:月35,000〜36,000円のうち、何が会費で、社員としての給与がいくらなのかは書かれていません
- 9月14日の通知への説明:サイトの各ページの更新日は2026年5月10日で、通知(9月14日)より前のままです
運営会社がわからないと、契約の相手方や、資格が取り消されたときに誰に何を求めればよいかもわかりません。申し込む前に必ず確認したい点です。
9月14日の通知って、何が書いてあるんですか?
「勤務時間が極端に短い正規型の労働者」として加入させている事業所に疑義がある、という通知なんだ。3月の通達は役員型が対象だったけど、9月は役員ではない従業員型にも広げた。
3. 9月14日の通知の判定基準
厚生労働省は2026年9月14日、「勤務時間が短い正規型の労働者として事業所に使用されている個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」(保保発0914第2号・年管管発0914第2号)を出しました。判定は次の2つです。
- ① 報酬が業務の対価として経常的な支払いとは認められない:会費等が報酬を上回る場合。同額や下回る場合でも、会費等が報酬の多くを占めることが常態化していれば認められない可能性がある。会費等は勉強費・広告費・掲載料・コンサルタント料・委託費など名称を問わない
- ② 業務が経常的な労務の提供と認められない:1週間または1か月の労働時間が常態的に極端に短い場合や、業務が自己研さん・形式的な活動報告・会員同士の紹介・自分の事業をそのまま業務にしただけ、などにとどまる場合
①と②の両方に当たれば原則として被保険者資格がないものとして扱い、どちらか一方なら就労の実態に照らして個別に判断する、とされています。なお、「極端に短い」が何時間かという数値の基準は、通知には書かれていません。
4. サイトの記載を通知に当てはめると
ここからは、サイトの記載と通知の文言の対応関係だけを示します。最終的に判断するのは保険者(協会けんぽ・健康保険組合・日本年金機構)です。
- ②について:サイトは必要な作業を「毎月10分ほど」としています。通知の「労働時間が常態的に極端に短い」という論点に関わる記載です(数値基準はないため、当たるかどうかは断定できません)
- ①について:会費と給与の額がサイトに書かれていないため、判断できません。月35,000〜36,000円の内訳と、給与の額を確認する必要があります
- サイトの「年金事務所と協議を重ねた上で、問題がないことを確認済」という説明は、通知(9月14日)より前のページに書かれたものです
じゃあ、入る前に何を聞けばいいんですか?
次の5つを、口頭じゃなくて書面かメールでもらうといいよ。答えられない、はぐらかされるなら、それ自体が判断材料になる。
5. 申し込む前に確認したい5つのこと
- 運営会社の正式名称・所在地・代表者(法人番号で実在を確認できるか)
- 毎月払う会費等の額と、社員として受け取る給与の額(会費が給与を上回っていないか)
- 1か月の労働時間と、具体的な業務の内容
- 9月14日の通知を踏まえて、どう判断しているか(年金事務所に確認した時期と内容)
- 資格がさかのぼって取り消された場合、保険料・医療費の返納・国民年金の扱いをどう説明しているか
社保加入サービス全般の判断の物差しは「個人事業主が入れる社会保険」は怪しい?違法?、ほかのサービスのその後は社保削減サービス終了とその後にまとめています。サービスをやめて国保に戻る手続きは社会保険の資格を「退職扱い」で失ったらを見てください。
よくある質問
Q1. 「みんなの会社」はどんなサービスですか?
公式サイトによると、個人事業主・フリーランスが社員として入社し、社会保険に加入する仕組みです。費用は月35,000〜36,000円、必要な作業は毎月10分ほどとされています。
Q2. 役員ではなく社員なら、3月の通達の対象外ですか?
3月の通達は役員型が対象でしたが、9月14日の通知で、役員ではない従業員として加入する形も対象になりました。会費等と報酬の関係、労働時間・業務の実態で判断されます。
Q3. 運営会社はどこですか?
2026年10月13日時点で、公式サイトに運営会社の正式名称・所在地は見当たりませんでした。申し込む前に確認してください。
Q4. この記事は「みんなの会社」が違法だと言っていますか?
言っていません。公式サイトの記載と、厚生労働省の通知の判定基準を並べたものです。資格の有無を最終的に判断するのは保険者です。
出典:「みんなの会社」公式サイト(https://minano-kaisya.com/ ・仕組み解説ページ。2026年10月13日確認)、厚生労働省「勤務時間が短い正規型の労働者として事業所に使用されている個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」(保保発0914第2号・年管管発0914第2号、令和8年9月14日)。記載内容は確認時点のものです。



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