最終更新日:2026年10月7日
2026年度(令和8年度)から、国民健康保険料に「子ども・子育て支援金分」が加わりました。6〜7月に届いた国保の納入通知書に、見慣れない行が1つ増えているはずです。
報道では「1人月450円」という数字がよく出ますが、これは令和10年度の、全制度の平均です。この記事では、こども家庭庁の試算と国民健康保険法施行令の条文をもとに、国保に入っているフリーランス・個人事業主が実際にいくら払うのかを整理します。
先に結論
- 国保の加入者1人あたりの平均は、令和8年度月200円→9年度300円→10年度400円(1世帯あたりは300円→450円→550円)
- 国保は会社負担がないので、全額を自分で払う。会社員の公表額は会社が半分出した後の本人分
- 国保では医療分などと並ぶ独立した区分で、上限は年3万円。国保全体の上限は113万円になった
- 世田谷区の場合、事業所得400万円の単身で年11,512円(月約959円)
- 18歳以下の子どもの均等割はかからないので、子どもの数では増えない
ニュースで「月450円」って聞いたんですけど、国保の通知を見たらもっと高い気がします。どういうことですか?
450円は3年後の平均で、しかも会社員は会社が同じ額を別に出しているんだ。国保は所得で額が変わるから、平均より高い人も多いよ。順番に見よう。
1. 子ども・子育て支援金とは?いつから払う?
子ども・子育て支援金は、少子化対策の財源として、医療保険の保険料に上乗せして集める仕組みです。令和8年4月分の保険料から拠出が始まりました(国保の具体的な徴収開始時期は市区町村ごと)。
払い方は加入している保険で違います。
- 会社員(被用者保険):全国一律の支援金率0.23%を給与・賞与にかけ、会社と本人で半分ずつ
- 国保・後期高齢者医療:こども家庭庁の資料の図に「国保、後期は被保険者のみが負担」と注記。会社負担にあたるものはない
2. 国保はいくら?こども家庭庁の試算
こども家庭庁の試算(令和7年12月26日)では、加入者1人あたりの平均月額は次のとおりです。

| 年度 | 全制度平均(1人) | 国保(1人) | 国保(1世帯) |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 月250円 | 月200円 | 月300円 |
| 令和9年度 | 月350円 | 月300円 | 月450円 |
| 令和10年度 | 月450円 | 月400円 | 月550円 |
報道の「450円」は、令和10年度の全制度平均です。3年かけて段階的に上がります。
年収別の試算もあります。国保(夫婦と子のいる世帯・世帯あたり月額・令和8年度)は、年収80万円で50円、150万円で250円、200万円で400円、250万円で550円、300万円で650円です。国保の公式試算は年収300万円までしか出ていません(会社員の試算は1,000万円まで)。所得が多いフリーランスは、自分で計算する必要があります。
3. 自分の額の出し方(世田谷区の例)
国保では、支援金分は医療分・後期高齢者支援金分・介護分と並ぶ4つ目の区分として新設されました。国民健康保険法施行令に「子ども・子育て支援納付金賦課額」が加わり、上限は年3万円と定められています。これに合わせて、国保全体の年間上限は109万円から113万円になりました(令和8年政令第2号)。上限の詳しい話は国民健康保険料の上限113万円で整理しています。
支援金分の計算式は、ほかの区分と同じです。
支援金分 =(事業所得 − 基礎控除43万円)× 所得割率 + 均等割
※事業所得は売上から経費・青色申告特別控除を引いた額
世田谷区の令和8年度は、所得割0.27%・均等割1,873円(18歳以上)です。40歳未満の単身なら次のようになります。
| 事業所得 | 支援金分(年) | 月あたり |
|---|---|---|
| 200万円 | 約6,112円 | 約509円 |
| 300万円 | 約8,812円 | 約734円 |
| 400万円 | 11,512円 | 約959円 |
| 500万円 | 約14,212円 | 約1,184円 |
| 700万円 | 約19,612円 | 約1,634円 |
| 1,000万円 | 約27,712円 | 約2,309円 |
※世田谷区 令和8年度の料率で概算。端数処理で実際の額は少し変わります。率と均等割は自治体の条例で決まります(例:さいたま市は0.26%+1,700円)。
事業所得400万円のフリーランスは、平均の「月200円」の約5倍です。所得割があるので、所得が多いほど平均から離れます。いちばん確実なのは、手元の納入通知書(決定通知書)の「子ども・子育て支援金分」の行を見ることです。独立した区分なので、金額が別に書かれています。
やっぱり会社員よりフリーランスのほうが高いんですね……。
そこは単位をそろえないと言えないんだ。1人あたりで比べると、令和8年度は国保200円、会社員の保険300円で、むしろ国保のほうが低い。違いは「会社が半分出してくれるかどうか」だよ。
4. 会社員と比べると高いのか
- 加入者1人あたり(令和8年度):国保200円、被用者保険300円。1人あたりでは国保のほうが低い
- 会社員の公表額は本人分だけ:試算の注記に「事業主負担分を除いた本人拠出分」とあります。年収400万円の会社員の「月384円」は、会社が同じ額を別に出した後の数字です
- 保険料に対する割合は、国保5.1%、被用者保険4.5%(こども家庭庁の資料)
- 会社員の「年収」は給与収入、国保の計算は事業所得で、同じ「400万円」でも中身が違います。単純に倍率は出せません
政府は「社会保障の歳出改革などで相殺されるため、実質的な負担は生じない」と説明しています。ここでは政府の説明として紹介するにとどめます。
5. 子どもがいる世帯・所得が低い世帯は?
- 18歳以下の子ども(18歳になった後の最初の3月31日まで)は、支援金分の均等割が全額軽減されます。こども家庭庁の試算にも「高校生年代までのこどもの数により支援金額は変わらない」と注記があります
- 所得が低い世帯は、均等割の7割・5割・2割軽減が支援金分にもかかります(試算の注記では、夫婦と子1人の3人世帯・年収80万円で、7割軽減がかかり1人あたり月50円)
国保本体の軽減・減免は国民健康保険料の減免・軽減制度にまとめています。なお、本体の均等割を高校生年代まで半額にする改正は2027年4月からで、2026年度は未就学児だけです。
支援金分だけを下げる方法ってあるんですか?
支援金分だけを下げる方法はないよ。計算のもとが国保と同じ事業所得だから、国保本体と一緒に下げるしかない。効くのは経費と青色申告で、iDeCoや小規模企業共済は国保には効かないんだ。
6. 支援金分を下げるには
支援金分は「事業所得 − 43万円」に率をかけるので、下げられるのは事業所得だけです。
- 効く:必要経費をきちんと計上する、青色申告特別控除(令和8年分は最大65万円、令和9年分からは最大75万円)を使う
- 効かない:iDeCo・小規模企業共済・ふるさと納税・社会保険料控除などの所得控除(国保の計算には使われない)
なぜ節税しても国保が下がらないのかはiDeCo・小規模企業共済で節税しても国保は1円も下がらないで詳しく書いています。
よくある質問
Q1. 子ども・子育て支援金は、国保だといくらですか?
こども家庭庁の試算では、国保の加入者1人あたりの平均は令和8年度月200円、9年度300円、10年度400円です。実際の額は所得と自治体の条例で決まり、世田谷区の事業所得400万円・単身なら年11,512円(月約959円)です。
Q2. いつから払っていますか?
令和8年4月分の保険料から拠出が始まりました。国保の具体的な徴収開始時期は市区町村ごとです。6〜7月に届いた納入通知書に「子ども・子育て支援金分」の行があります。
Q3. 上限はありますか?
国保の支援金分は年3万円が上限です(国民健康保険法施行令)。国保全体の年間上限は113万円になりました。
Q4. 子どもが多いと支援金は増えますか?
増えません。18歳以下(18歳になった後の最初の3月31日まで)の子どもは支援金分の均等割が全額軽減されるため、子どもの数で支援金額は変わりません。
Q5. 会社員より国保のほうが高いのですか?
加入者1人あたりでは、令和8年度は国保200円、被用者保険300円で国保のほうが低くなっています。ただし会社員の公表額は本人分だけで、会社が同じ額を別に払っています。国保は全額が自己負担です。
出典:こども家庭庁「子ども・子育て支援金に関する試算(医療保険加入者一人当たり平均月額)」(令和7年12月26日)、同「医療保険制度ごとの年収別試算」、同「子ども・子育て支援金制度について」(令和8年3月)、こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度」ページ、国民健康保険法施行令(令和8年政令第2号による改正後)、世田谷区 令和8年度国民健康保険料率



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