最終更新日:2026年9月29日
「社保NEXT」という名前の広告を、2026年9月に入ってからSNSで見かけた方も多いと思います。「国保・国民年金から切り替えるだけで手取り年収が最大103万円UP」「30秒の無料診断」という打ち出しで、フリーランス・個人事業主向けに社会保険への切り替えを案内しているサービスです。
この記事では、社保NEXTの公式サイトに公開されている情報(会社概要・特定商取引法に基づく表記・利用規約)だけを読み込み、どんな仕組みで社会保険に入るのか、何が公開されていて何が公開されていないのかを整理します。評判の良し悪しを断定する記事ではありません。
社保NEXTの広告、最近よく見るんです。手取りが100万円増えるなら気になるんですけど、どういうサービスなんですか?
公式サイトに書いてあることを、先に全部読んでおきましょう。仕組みは読めば分かるんですが、損得を決める肝心の数字が公開されていないので、そこが最大のポイントになります。
公式サイトで確認できた基本情報
| 項目 | 公式サイトの掲載内容(2026年9月28日確認) |
|---|---|
| サービス名 | 社保NEXT(syaho-next.com) |
| 運営会社 | 株式会社アドバンス(東京都渋谷区東2丁目14-19) |
| 連絡先 | 電話 03-6825-0254/メール(フリーメールのアドレス)。特商法表記では「お問い合わせは原則としてメールで」 |
| 規約の制定日 | 2026年1月16日(特商法表記・利用規約とも) |
| 申込の入口 | 公式サイトの無料診断。携帯電話番号の入力が必須で、診断結果は公式LINEで届く |
| 料金(会費) | 公式サイト・特商法表記に金額の記載なし(「当社が別途定める時期」「申込み時または契約時に個別に案内」) |
| 広告の訴求 | 「国保・国民年金から切り替えるだけで、手取り年収は最大103万円UP※」。※の前提条件は公開ページのテキストでは確認できず |
仕組み:「社員向けコミュニティ」の利用料を払い、社員として雇用される
社保NEXTは、利用者を自社(株式会社アドバンス)の社員として雇用する形です。いわゆる「従業員型」で、理事や役員として登録する「役員型」ではありません。
特定商取引法に基づく表記の「提供内容」には、次のように書かれています。
当社が雇用する社員を対象に、情報共有・コミュニティ運営・各種サポートを目的として提供するオンラインコミュニティおよび情報提供サービス。
つまりお金の流れは、①社員として雇用契約を結ぶ →②社員向けのオンラインコミュニティの利用料をクレジットカードで払う →③給与と社会保険料は雇用契約で別に決まる、という組み立てです。特商法表記にも「給与、社会保険料その他雇用条件については、別途締結する雇用契約および当社規定に基づき定める」とあります。
社員として何をするのかは、利用規約の第5条に書かれています。要約すると次のとおりです。
- 他の社員に有益な知見・経験・情報の共有と、相互交流への参加
- 当社が提供・指定する情報や資料の確認と、意見交換への関与
- コミュニティ内での発言・コメント・助言・所感の共有
- 情報や知見の整理と共有による、運営・意思決定の質向上への寄与
そのうえで、「特定の成果物の提出や作業量を義務付けるものではない」「時間的・場所的拘束を伴わない運用を基本とし」と明記されています。
え、じゃあ仕事らしい仕事はなくて、コミュニティに参加するのが業務ってことですか?
規約の書き方だとそう読めます。ただ、実際にどれくらいの時間、何をするのかは雇用契約の側で決まるはずなので、公開ページだけでは分かりません。そこは申し込む前に文字で確認しておくところですね。
公開情報で分からないこと:会費と給与の額

一番大事な数字が公開されていません。社会保険に切り替えて得をするかどうかは、
- 毎月払うコミュニティ利用料(会費)
- 会社から受け取る給与(これで社会保険料の等級が決まる)
- 給与から天引きされる社会保険料
の3つで決まります。社保NEXTの公式サイト・特商法表記・利用規約には、このどれも金額が書かれていません。広告の「最大103万円UP」も、どの所得・どの自治体・どの家族構成を前提にした数字なのかは、公開ページのテキストでは確認できませんでした。
数字は、携帯電話番号を入力して受けるLINE診断の先でしか出てこない、というのが2026年9月28日時点の状態です。
2026年9月14日の厚労省通知で、確認すべき点
2026年9月14日、厚生労働省から保保発0914第2号・年管管発0914第2号が出ています(宛先は全国健康保険協会・健康保険組合・日本年金機構)。3月の通達が「役員型」を対象にしていたのに対し、9月の通知は「勤務時間が極端に短い正規型の労働者として雇用され、法人の役員ではない労働者」=従業員型を対象にしています。
📝 通知が示した判定は2つ
①報酬が業務の対価として経常的な支払いと認められない:事業所に支払う会費等が報酬を上回っている場合など。名称は問われません(勉強費・広告費・参加料・コンサルタント料・協力金・委託費など)。
②業務が経常的な労務の提供と認められない:1週間・1か月の労働時間が常態的に極端に短い場合や、業務が自己研さん・活動報告・会員同士の互助的な紹介・自分の事業をそのまま事業所の業務にしたものにとどまる場合。
①と②のいずれにも当たれば原則として資格なし、どちらか一方なら個別具体的に判断、という建て付けです。
社保NEXTがこれに当たるかどうかは、当サイトでは判断できません。①は会費と給与の額が公開されていないので照らし合わせようがなく、②は実際の勤務時間と業務の中身が雇用契約の側で決まるからです。最終的に判断するのは保険者(協会けんぽ・健康保険組合・日本年金機構)です。
ただ、検討するなら次の2点は確認しておく価値があります。
- 会費(コミュニティ利用料)と給与、どちらが大きいか(①に関係)
- 利用規約5条の「コミュニティへの関与」以外に、どんな業務を、週・月に何時間やるのか(②に関係。規約には「時間的・場所的拘束を伴わない運用を基本」とある)
詳しい比較は役員型vs従業員型の徹底比較で解説しています。
検討するなら:契約前に確認すべき5チェック
- 毎月の会費(コミュニティ利用料)の額と、初期費用の有無
- 雇用契約上の給与額と、そこから天引きされる健康保険・厚生年金の額(=実質の月額負担)
- 業務の中身と時間:週・月に何時間、何をするのか。勤怠の記録はあるか
- やめるときの条件:特商法表記では「サービス提供開始後のキャンセル・返金・日割り精算には応じない」「退職で自動終了」。退職の申し出期限と、国保に戻るタイミングの損得
- 制度変更への対応:保険者から資格を否認された場合、会費の扱いや差額の負担はどうなるか
口頭の説明ではなく、LINEのトークや書面など、文字で残る形で確認しておくことをおすすめします。
当サイトの評価スタンス
当サイトは、社保NEXTを「良い」とも「怪しい」とも断定しません。公式に公開されている情報を読んだ結果、仕組み(従業員型)は明確に書かれている一方、損得を判断するための金額は公開されていない、というのが評価のすべてです。サービスの実態や加入者の体験は確認できていないため、口コミ・体験談は掲載していません。
他の社保加入サービスとの比較は社保削減サービスの比較記事、2026年に入ってからの業界の動きはフリーランス向け社保サービスのリスク整理でまとめています。
結局、社保NEXTを検討するなら何から始めればいいですか?
まず自分の国保と国民年金の実額を出して、会費と給与が分かったら並べて比べることですね。数字が出そろわないうちは、広告の「最大103万円」では決めないほうがいいです。それと、2026年9月の通知のあと、従業員型のサービスでも加入者が一斉に資格を失った例が出ています。仕組みが続くかどうかも、契約前に聞いておきたいところですね。
よくある質問
Q1. 社保NEXTの運営会社はどこですか?
公式サイトの会社概要・特定商取引法に基づく表記によると、株式会社アドバンス(東京都渋谷区東2丁目14-19)です(2026年9月28日確認)。
Q2. 社保NEXTの料金(会費)はいくらですか?
公式サイト・特商法表記・利用規約のいずれにも金額の記載がありません。特商法表記では、支払時期は「当社が別途定める時期」、詳細は「申込み時または契約時に個別に案内」とされています。無料診断(携帯電話番号の入力とLINE登録が必要)の先で案内される形です。
Q3. 社保NEXTは役員型ですか、従業員型ですか?
従業員型です。特商法表記に「当社が雇用する社員を対象に」提供するサービスと書かれており、利用者は株式会社アドバンスの社員として雇用される形をとります。
Q4. 2026年9月の厚労省通知で、社保NEXTは使えなくなりますか?
当サイトでは判断できません。通知は「会費等が報酬を上回る」「業務が労務の提供と認められない」の2点で判断する建て付けですが、社保NEXTは会費と給与の額を公開しておらず、実際の業務時間も雇用契約の側で決まるためです。判断するのは保険者です。検討する場合は、会費と給与の額、業務の中身と時間を文字で確認してください。
Q5. 途中でやめることはできますか?
特商法表記では、社員は所定の手続きでサービスの利用を停止でき、退職すると利用は自動的に終了するとされています。一方で「サービス提供開始後のキャンセル、返金または中途解約による日割り・月割りでの精算には応じない」とも書かれています。
まとめ
- 社保NEXTは株式会社アドバンスが運営する、社員として雇用する従業員型の社保加入サービス(規約の制定は2026年1月)
- 社員の業務は、利用規約上は「社員向けオンラインコミュニティへの関与・貢献」。時間的・場所的拘束を伴わない運用が基本と書かれている
- 会費と給与の額は公開されていない。数字はLINE診断の先でしか分からない
- 2026年9月14日の厚労省通知に当たるかは、会費と給与の額・業務の中身と時間しだいで、当サイトでは判断できない
- 検討するなら、上の5チェックを文字で残る形で確認してから
この記事の検証方法(透明性のために)
2026年9月28日に、社保NEXT公式サイト(syaho-next.com)のトップページ・会社概要・特定商取引法に基づく表記・利用規約を直接確認しました。9月14日の通知は厚生労働省の原文PDFを全文読んだうえで要約しています。加入者への取材・問い合わせは行っていません。内容は確認日時点のもので、今後変わる可能性があります。



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